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イーフェローズ

     
  番外編 無線モジュール、TWE-LITEを使って無線温度計をつくってみました!  
     
     
  ■□Twe-Liteとは?□■  
 

東京コスモス電機が発売しているTWE-LITEは、無線機初心者でも簡単に扱えるZigbeeを使った無線モジュールです。
シリアル通信、無線タグ、オーディオ通信等のファームウェアがあらかじめ用意されているので自分の用途にあったファームウェアを選ぶことでスムーズに開発を進めることができます。さらに、省電力かつ省スペースなのでなかなか使いやすいモジュールだと思います。

今回、研修として新人かつ電子工作の経験が少ない筆者がこのTwe-Liteを使って無線温度計を作りましたので紹介してまいりたいと思います!

 

 


 
     
  ■□使用機器□■  
 

使用した機器は下記の通りです。

マイコンボード(PIC16F1947搭載) ZEATEC co.,ltd ZT-PIC16F194701(3.3V仕様)
I2C接続小型キャラクタLCDモジュール  Sunlike Display Tech. Corp.
                          SO1602AWGB-UC-WB-U,
TWE-LITE(子機)、TWE-Strong(親機)
PICkit、USART、PC他

 
     
  ■□仕様について□■  
 

親機Twe-Strongというものを使っており、Twe-Liteに比べ電波が強く出るものをつかっています。
見通しがよければかなりの距離まで電波を飛ばせることが確認できました。ただ障害物には弱い印象です。
Twe-Lite,Storongそれぞれファームウェアは無線タグアプリ(ver.1.3.1)を使用しています。
温度センサーは、LM61Bizを使用しました。詳しくは次の項目で記述してあります。

構成は親機1台、子機2台で計測したいと思っていますので、IDごとにデータを振り分ける仕組みも実装しています。
下図を見てもらえると理解しやすいかもしれません。

まず、子機は温度センサーからくる電圧を元に現在の温度を計測します。それを親機に無線でシリアルデータを送信し、親機は子機からもらったシリアルデータを解析、必要な情報を取り出しLCDに表示します。
さらに、もらった情報をログとして保存し平均値を計算させ、桜の開花予測等に用いられる最高気温の合計値から求める方法を参考にし開花予想日を表示する機能も実装しました。

今回は子機を2台と設定しましたが、ソフトを組み替えるか、作りこみ次第で2台以上増設することも可能です。

 
     
  ■□子機は消費電力をなるべく削るようにしました□■  
 

子機は、屋外の電源の取れないところへ設置するため単三電池仕様にしました。ただ、気温観測を行うのに、頻繁に電池交換をしていては不便だと思い消費電力をできるだけ削りたいと思っていました。
なので、マイコンを乗せず、Twe-Liteと温度センサー(LM61Biz)のみの単純な回路となっております。
LM61Bizは、1℃当たり10mV上昇と計算しやすい数値になっていて、なおかつ無線タグアプリでパラメーターを変更するだけでオフセット値が設定されお手軽に無線温度計子機を作成することができるようです。

ちなみに精度が下がってしまうデメリットはありますが、面実装型のLM61cimもありますので、Twe-liteの面実装と組み合わせればものすごく小型化できそうですね。

I2Cのセンサーも対応しているみたいなので、中級編4で紹介されていたAM2321も使えそうです。送られてくる情報のフォーマットが変わりそうなので、ソフトで対応しないといけないかもしれませんが。
AM2321は温湿度両方の計測が可能なので、さらに幅が広がりますね。



一番上の写真は1号機のものです。基板むき出しなので室内温度計として使用しています。
下の2枚の写真は2号機のものです。直接日光が基板に当たると表面温度が上昇して正確に温度を計測できないらしく、船上の温度計測等につかわれているマッシュルーム方の温度計を参考にして塩ビパイプを切って作ってみました。(出来栄えはなかなかひどいものですがorz)。計測結果は、むき出しに比べればかなり正確になった気がします。
一番のメリットといえば雨風がしのげることですね!!!





ちなみに頭のほうに穴とステーがありますが、これはソーラー駆動させていたときの名残です。
エナジーハーベストモジュール(環境発電)を使用することでソーラーのエネルギーを効率的に扱うことができます。ただ昼間太陽が照っている間に接続しているキャパシタに充電していくのですが、
夜通し持たせられるだけの電気が充電することができず、今回は没になりました。エナジーハーベストモジュール自体の消費電力が高かった覚えがあります。使用用途によっては活用できそうなモジュールだったので、またどこかで使いたいですね。

 
     
  ■□温度計測の要、親機□■  
 

この無線温度計は、情報の解析、集計、計算すべて親機に載っているマイコンでしているのでこの温度計の要と言ってもいいと思っております。まぁ子機がなければ情報がこないのでただの時計になっちゃいますが!
親機側は、イーフェローズで販売しているマイコンボード ZT-PIC16F194701を使用しています。
電子工作初心者でも簡単に使用することができて、ライブラリも充実していたので格段に楽に作ることができました。
これから電子工作を始めようとしている方、開発を早く終わらせたい方にかなりおすすめできます!

写真では、下段にTwe-Storongを載せています。
無線モジュールは3.3V仕様となっていますので、レギュレーターで3.3Vに降圧し、電源を供給しています。
コイン電池も搭載できるよう電池ホルダーも設けているので、独立した電源で動くことも可能です。

 
     
  ■□動作を見てみましょう!□■  
 

電源をいれ起動させると、まず時計が表示されます。
親機には、MODE,SCROLL,ENTERの三つのスイッチが用意されています。
それぞれのSWの役割を解説すると、
MODEは主にメニューの操作、SCROLLはページの切り替えに、
ENTERは決定ボタン的なものだと思っていただければ!

それではどのように動くのかちょっとMODEスイッチを押してみます。
時計表示の状態でMODEスイッチを押すと、画面が切り替わりメニュー表示になります。

絶妙なタイミングで撮っちゃいましたが、時計表示は09:32:17見たいな感じにちゃんと表示されます。

 
 

○メニューの流れ

  ↓    
■時計表示(初期画面)  
  ↓  
■子機ステータス表示  
  ↓  
■気温履歴
  ↓
■出荷予定表示
  ↓
■出荷予定設定
  ↓  
■時計設定  
  ↓
■コントラスト設定
  ↓
■時計表示(ループ)  
   
   
   
   
   


 
  ■□動作説明!□■  
 

○時計表示
マイコンボードに乗っているRTCから現時刻を取得し表示します。

○子機ステータス表示(status)
子機から取得したデータを表示します。LQIは電波強度を示しています。
Twe-liteにはそれぞれ固有IDが振り分けられているので、
それに基づいてデータを振り分け個別に表示させるようにしました。

○気温履歴(Temp recode)
1時間単位、一日単位での気温の履歴を表示します。取得したデータを集計し平均値計算させそれをログに格納します。
スクロールボタンを押すことで2日目、3日目とスクロールすることができます。
1時間単位のログは1日の平均気温を計算したときにクリアされます。
一日前の気温の推移がわかると面白いかなーと思いますので、EEPROMが乗っているので前日の1時間単位の記録はEEPROMに書き込んで保存させることも考えています。

○出荷予定表示(Planned Shipment)
割り出した平均気温を足していき作物が出荷できる日付を予想して表示します。
桜の開花予測がこれでできるので来年の春に試してみたいと思います。

○出荷予定設定(Shipment Setting)
気温の合計値を変更して、他の植物でも対応できる設定です。
桜の開花予測が気温の合計値でできるなら他の植物でもできるだろう!という考えの元作ってみました。

○時計設定(time setting)
そのまま時計設定の意味です。時計設定と書いてありますが、もちろん日付も変更することができます。

○コントラスト設定
有機ELモニターのコントラストを設定します。日が当たる場所で画面が見にくい場合はこれを最大まであげるとすごく見やすいです。

※上の写真がステータス表示、下の写真が気温履歴表示です。

 
     
 

■□さいごに□■

 
 

出来栄えは決して良いとは思えないですが、なんとか形にはなりました。

ちなみにLEDは、情報を受信したときに光るようになっています。
今回使用したマイコンボード、初心者でもとても使いやすく便利なものなので、ぜひイーフェローズでお買い求めください!

 
     
     
 


 
   

 

 

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